年末、歯が痛みだした。

 左下の1番奥の歯で、歯髄を処置したのが高校生の時だったか。

 この歯が痛むのは初めてではなく、もう3回目。根元にウミがたまって、二回消毒し直している。

 しかもこの時は、もう硬い金属をかぶせると、負担になって痛みがでるということで、レジンで周囲を固めているだけの状態だった。

 

 30日になんとなくもやっとする感じから始まって、まあ年末なのでいつもの歯医者はもうお休みに入っているし、休み明けまでぐらいなら持つんじゃないかと、とりあえず痛み止めだけ買ってきた。

 ところが急激に痛みが強くなって、とても休み明けまで我慢できそうにない。それで元旦に、今までの経験からとにかく被せものをとって、消毒してもらえばだいぶ楽になるはずだからと、鎌倉市の救急診療へいった。

 流石に元旦から来るひとは少なくて、さほど待たずに診てもらい、被せものをとって消毒してもらって、痛み止めと抗生物質をもらった。

「膿、でましたか?」と聞くと、

「出なかったけど、ばい菌が入って痛みが出て、すぐにウミがでて来ない場合もあるから」

 確かに前の二回も膿はあまり出なかった。

 

 それでも消毒してもらったので、これで楽になるはずと思ったのに、翌日にかけて、むしろ痛みがひどくなってきた。痛み止めはまるで効かないし、痛みがひどくて仕方なく、もう一度救急診療へ。

 前日とは別の先生に見てもらった。前日もレントゲンをとったけれど、またレントゲン。先生が言うには、消毒薬を入れて閉じた仮歯の高さが少し高かったとかで、上の歯とあたらないように少し削り、後は抗生物質がだんだん効いてくるはずだからと。それと、救急診療で出している痛み止めがそれほど強くないクスリなので、前日に言われた倍の量を飲んでもいいと追加で痛み止めが出た。

 

 ところがところが。さっぱりマシにならない。

 一本の歯が痛いだけじゃなくて、左側全体が痛くなってきた。耳のほうまで響くし、体のほうもぞくぞくする。

 抗生物質の影響なのか、右手の痛みも強くなった。

 病気のほうの影響を考えれば、できるだけ薬は飲みたくないけど、飲まずにいられないほどひどい痛みが続く。痛み止めを飲んでも、少し楽になるだけで全く痛みがなくなるわけでは無い。

 どう考えても、いつもの痛みかたと違う。

 

 休み明け5日、ようやく歯医者へ。

 レントゲンを撮り、先生が言うには

「何度も治療をして歯自体が小さくなり、もろくなっているので再治療はムリ。抜きましょう」

 確かにここ数年、まともにかぶせものすらできないし、噛み合わせ自体にほとんど参加していない状態だったので、もう仕方がないとその時は思った。

 第一、もうこんなに痛いのはこりごりだった。

 それにしても、レントゲンだけで治療はマッタクなし。抗生物質と痛み止めだけ再び出て、翌週抜くと言う。

「あの、消毒とかはしてもらえないんですか?」

「ちゃんとふさいでありますから、このままで大丈夫です」

 そうは言っても、痛みが全然ひかないというか、お正月の治療後むしろ痛みが強くなっているのだから、消毒し直してしてほしいのに、そのまま帰されてしまう。

 ただ、さすがに10日以上も抗生物質を飲んだおかげか、抜歯当日にはだいぶ痛みが落ち着いて来ていた。

 

 

2に続く