診断と代替医療


 化学物質過敏症を見てくれる病院は神奈川にもいくつかあるが、電磁波過敏症のほうになると全国で見てもがくっと少なくなる。

 北里研究所病院でさえ、電磁波過敏症のほうは確定診断はされない。

 

 電磁波過敏症の診断は難しい。

 まず、患者一人一人が反応する電波の周波数が違う。家電製品には大抵の患者が反応するようだが、電波のほうは周波数によってひろったり拾わなかったり。また、電波を浴びせたらすぐにわかると思っている人が多いようなのだが、例えば私は飛行機や携帯電話の電波にはすぐ痛みを感じたが、家電製品は浴びてしばらく経ってからだるさや痛みを感じ始めた。このしばらくの時間もその日の体調や家電の種類によって長さが違ってくる。

 病状が重いときには過敏性が増すし、軽くなってくると鈍くなってくる。それに検査室も外部からの電波を遮断するようにしなければ、正確な判断ができないことになる。

 他にも問題はあるのだが、そのあたりはまた別の機会に書くかもしれないし、より専門的なホームページで見ていただいた方がいいかもしれない。

 

 とにかく症状も反応する周波帯も違う患者を一様に診断する方法がなく、今はどうか知らないが当時は病院では化学物質過敏症の検査を受けた。

「おそらく電磁波過敏症と思われる」という診察を受け、生活上の注意点や後々化学物質過敏症が併発する可能性があることを説明された。

 もしも私が北里研究所病院に行く前にレイキヒーリングを受けていなかったら、医師の診断に絶望したかもしれない。すでに購入した書籍で知ってはいたが、改めて治療法はないと断言されたから。ただ、生活に気をつければ症状を軽減することはできるとも言われた。

 

 当時の私の症状は、全身のだるさと筋肉の痛みと頭痛、耳鳴り、目の痛み、軽いめまいなどだったので対症療法としての薬の必要はなく、(と、いうより効果が期待できる薬がなく?)それ以後病院に通い続けたりはしなかった。

 どちらにせよ根本的な治療法など今のところどこにもないのだ。よほど金銭的余裕があるならともかく、大枚はたいて自由診療をうける理由がなかった。

 できるだけ日常生活の電波や電磁波を減らし、化学物質も減らして体のストレスを取り除き、症状が軽くなるように祈るほかできることがない。

 

 その年はヒーターのモーター音も辛く、灯油ストーブを買った。私1人だけなら布団をかぶって震えていてもよかったが、父がいるのにそれはできなかった。

 それが結局、翌年化学物質過敏症を発症する原因の1つになってしまった。

 

 

 病院ですすめられたことや、本に載っていた代替医療をいくつかは試してみた。

 飛行機については天井部分に金属板をはるという対処法があるらしいのだが、賃貸なのでそれはできない。眠る時のアルミシートについては、木材でそれを乗せる枠を作るといいといわれたが、作成を頼む相手もおらず、結局後に1人用の蚊帳に乗せるというやり方に落ち着いた。

 毛髪診断を受けてはみたけれど、この時すすめられたサプリメントは値段が高くてとても続けられそうになかった。ただ、キレート剤としてアミノ酸はしばらく購入した。

 ホメオパシーも試した。偶然にもすぐ近所にホメオパスがいた。数回通ったものの、特に効果を感じずやめてしまった。

 浄水器も買った。

 野菜は無農薬のほうがいいと言うことなので、ラディッシュボーヤに入会した。ラディッシュボーヤはすべて無農薬と言うワケではないし、他にも無農薬野菜を扱う店はあったけれど、車を持っていない体調もすぐれない私としては宅配でしかも適当に野菜を組み合わせてセットにして持ってきてくれるのがありがたかった。毎週自分であれこれ考えて選んで注文するような気力は出なかった。

 野菜以外の生活用品も洗剤やせっけんなど、化学物質過敏症になってからも使えるような商品が揃っていた。一つ一つは他の店でも買えるものだったけれど、まとめて片付くのがありがたい。そういうわけでラディッシュボーヤは今でも続けている。